■ 合・合


  竣 工 : 2016.06

  所在地 : 愛知県北名古屋市

  物 件 : 墓石新設

  構 造 : 岡崎産 花崗岩 牛岩青石
  面 積 : ---.---㎡

  協 賛 : Trois Fleur 村上陽子(フラワーコーディネーター)

戦後より多少の変化をしながら普及してきた一般的な和型から、様式の多様化に伴い、最近はデザインを重視したタイプが普及しつつある。

建立者が亡くなった方の生前を表現し、ひとつの“モニュメント”として造ることが多く、これを一般的に“デザイン墓”と称している。

 

今回は、風化により彫られた文字も消えてしまい、また過去帳にも残っていない、十を超える個人墓をひとつに集約するということにあった。その際、特定の “故人のモニュメント”的な要素は全く意識せず、「家墓(累代墓等)」というコンセプトとした。

 

一対の墓石は、ひとつの石を“割る”という行為を経て、その石の自然な部分=“その石の個性”を引き出し、人の手で “磨き”を掛けた加工部分とを対比させている。それは墓の持つ数ある表現のひとつ、“生と死”という部分を視覚的に表し、また2つの墓石の隙間を通して、中央(地中)に設置してありる唐櫃(カロート:納骨室)を意識できる造りになっている。


当然「右の墓石」と「左の墓石」は割れ目でピタリと一致する。

この一対の墓石が合わさる意識は “故人を想いながら手を合わせる”ことと良く似ている。

 

合わさる2つの墓石、合わせる2つの手。

 

墓前に献ずる際、一瞬でもそこへ向かうことが出来れば、私にとっても嬉しい限りである。

photo by  m5_architecte