Australian Institute of Architects - Tasmanian Chapter 兼定氏の講話「Japanese Temple and Shrine Building」をサポート

2025.02.12

▲ Australian Wooden Boat Festival 2025の出展に伴い、タスマニア州のホバートに滞在していましたが、現地の建築家協会のタスマニア支部から「くむんだー郡上」の代表で、大工の兼定氏へ”伝統的な建築の文化や技術”についての講話の依頼があり、スタッフとしてサポートをさせて頂きました。なかなか現地の協会や建築家の方々と交流できる機会はないため、迷うことなく快諾、協力いたしました!


▲ 私も日本の建築家協会(JIA)に所属していますので、雰囲気はわかったつもりで訪問したのですが・・・見た目からギャップがありすぎてかなり戸惑いました。苦笑 リノベーションをされた空間に白を基調とした什器があり、事務スペースとセミナースペースも上手くゾーニングされていました。たしかに建築家を束ねる協会のオフィスですので「さすが」のひと言で、言葉(名称)は本当に大切と感じた瞬間です。事務局なのか、オフィスなのか、それだけで方向性が変わるため、英語も日本語も大切に使い分ける必要がありますね。

▲ 兼定氏は英語が堪能な大工の棟梁あり、伝統的な木造建築の知識や技術ももちろん兼ね備えた職人です。2019年から「くむんだー」の活動を共に取り組んでおり、その経験とスキルを活かして、何度かこのような場で講話を行っています。自分の知識や技術を日本語でわかりやすく説明するだけでも容易ではありませんが、それを通訳無しで1時間近く来場者へ伝える姿は、まさに尊敬に値します。


▲ 今回は「日本の神社や仏閣の建築について」というテーマに、神社仏閣の基本的な意匠性の説明から始まり、各部位の納まりやその理由なについて、ひとつ一つの建物を深掘りしながら解説を行いました。参加した建築家や施工に関わる職人たちは、説明に対して熱心に耳を傾け、頻繁にうなずきながら理解を深めていました。また時には質問を投げかける場面もあり、日本の講演会とは違った、より距離感の近い対話型の時間となりました。カメラを通して撮影をしていると、その熱気や一体感がレンズ越しに伝わってくる瞬間が何度かあり、「こういう経験はやってみたい」と強く触発され、今後の目標にもなりました。


▲ 今回のAustralian Wooden Boat Festival 2025 への出展を全面的に支えてくださったキャンベラ在住の木工作家の山口博史氏(Koitoya Design/Make/Teach代表)や弊所の設計活動についても講話の中で紹介していただきました。その時間はわすかでしたが、会場の反応は非常に大きく、日本の伝統的な技術や木造の意匠に対する関心の高さを改めて実感しました。今回のサポートを通じて、今後の目標やそれを行うために現在足りないことが明確になり、今回の経験を糧にこれからの方向性をしっかり考えたいと思います。