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2025.02
公益財団法人国際親善協会が主催する、第49回の「JAPAN WEEK」に参加し、フランスのアルザス地方にあるコルマール市を訪れました。
今回の渡仏は、設計活動の一環で行っている「くむんだー郡上のワークショップ」や「伝統的な日本の建築文化を伝える」出展が目的です。
コルマール市は小さな街ですが、非常に美しく、観光地としても有名な場所です。旧市街地エリアには小さな水路も流れ、木造の建物も多く、日本の建築文化とも通じる雰囲気が感じられます。また、ヨーロッパらしい多彩な配色の建物が並び、とてもステキな雰囲気です。
この街は、さまざまなアニメや映画のモデルになったことでも知られており、特にジブリ映画の「ハウルの動く城」の舞台の一つとされていることで有名です。訪れたのが11月中旬で、少し肌寒い季節でしたが、その分、待ちの情緒がより一層引き立っていたと思います!!
今回の出展は3本柱!!
「①:日本の伝統的な建築文化の紹介ブース出展」、「②:くむんだーワークショップの実施」、「③:地元の小学校でワークショップを実施」です。
協会主催とは言え、事前の調整や事業計画が結構大変でした。
ただ、その分、多くの方々との素晴らしいご縁が生まれ、大きな反響もいただき、とても意義のある渡仏になりました。
▲ 見ていてワクワクするような色とりどりの建物で、よく見ると木造の仕事観(ディテール)がかなり面白い造りになっています。
▲ 中心部を含め、街全体は比較的低層の古い建物だけで構成されています。その辺りがヨーロッパらしいところですね!
▲ 展示ブースは2日間行いました。文化交流事業ということもあり、日本の文化に興味がある方が多く、子どもたちもたくさん来場されていました。書道や茶道、絵画展示、舞台鑑賞など、日本文化にまつわるたくさんのブースが出展されており、私たちが出展したブースも連日大盛況!!英語、フランス語、日本語、そして専門的な建築用語の説明が飛び交う、非日常的な体験をさせて頂きました!!
▲ そして場所を変えて、「くむんだーワークショップ」を2日間、計5回行いました。一般来場者を対象としたワークショップで、基本的には子どもたちメインですが、保護者の方にも参加してもらい、親子体験としました。日本では普段、幼稚園の遊戯室や小学校の体育館で行っていますが、このような歴史ある建物の空間でワークショップができるなんて、夢にも思いませんでした。
▲ いつも通り、参加者へレクチャーを行います。英語とフランス語ですが、みなさん「ウンウン」とうなずくシーンもたくさんあり、しっかり伝わっていると感じました。
▲ くむんだーの組立てはとてもシンプルなので、一度始まったらどんどん進んで行きます。特に子どもたちが率先して組み立てている姿は「日本と同じだ!」とても驚きました。
▲ JAPAN WEEKのプログラムに「訪問事業」というものがあり、地元の小学校や団体などと直接交流ができる仕組みになっています。今回「くむんだーワークショップ」を申し込んだところ、1つの小学校で開催させて頂くことができました。申し込んで頂いていた先生曰く「普段からこうした活動に触れ合う機会が少ない家庭が多いため、是非子どもたちにこの貴重な体験してもらいたかった」とのこと。はじめは「何をするのか?」という雰囲気で、戸惑い気味の子どもたちも途中から笑顔いっぱいなワークショップになっていました!!
▲ 日本の伝統的な建築の技術に子どもたちも興味津々!!いつもは1本モノの柱ですが、一番長い柱については、輸送の関係で継手を作り、つなぎ合わせる仕様にしました。
▲ 日本に行ったことのない子どもたちばかりで、文化的な建物(写真は京都の清水寺)のこともあまり認知されていませんでしたが、今後少しでも興味を持ってもらえると嬉しいです。
▲ ここからは少し余談ですが・・展示ブースに来ていただいた方に教会(大聖堂)の管理をされている方がおり、「一度見に来い、朝だったら案内するから!!」と言うことで、オフの日の早朝、眠たいめをこすりながら足を運びました。ただ私たちが思っていた「案内」とは全くスケールの違うことであり、かなりの衝撃を受けたことをご報告いたします。笑
▲ てっきり、一般的な礼拝堂やそのバックヤード程度と思っていたのですが、着いてみると「まずこの塔を登るぞ」とのことで、人が1人通れるくらいの入口と狭いらせん階段を延々とグルグル昇り続け、着いた先は「屋根の上」。普段は見上げるしかできない大きな建物の屋根も目と鼻の先。瓦のディテールも細かく見ることができ、なんとも言えない体験でした!!その後も塔のてっぺんまで登り、コルマールの街を一望させていただいたりと、朝からもの凄い体験をしたのですが、一番の体験は「小屋裏の見学」↓↓↓
▲ コルマール市で一番古い大聖堂で、1365年築。660年という歴史がある建物です。その「小屋裏」の見学をさせて頂いたことは、人生において、最初で最後の体験だと思っています。部材の大きさやその組み方、樹種や木材の肌、圧倒的なスケール感など、暗い部屋を小さな照明で照らしながら見て回りましたが、日本のそれとは全く異なるもの。と同時に見るだけになってしまったことも否めない事実でして、今後の設計活動にどう役立つのかとても反省のある点です。ただ、このようなご縁を頂いたことには心から感謝ですね。ひょんなご縁だったかも知れませんが、本当にありがとうございました。