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2019.12
国土交通省 のH30年度「サステナブル建築物等先導事業(気候風土適応型)」の採択事業でもある、この”いかだ丸太の家”ですが、竹小舞編みや土壁塗りも、家族や親戚また地域の方々など、多くの方に携わっていただきました。
土壁の土(=いわゆる泥コン)も近隣で取れる材料を使用しています。藁すさも地域で採れるお米の稲穂を使っています。そして作業する方々もこの志摩地域に住んでいる方々。全てのことが地元である志摩に関わりを持っており、まさにサステナブル!持続可能な社会に寄与しているワークショップになりました。ちなみに竹小舞の竹材も、敷地内及び近隣の竹林から調達しています。
とは言え、参加者の方々は「土壁」なんてほとんど塗ったことがありませんし、鏝(こて)すら触ったことがありません!見よう見まねで、顔も頭も泥だらけになりながら塗っていきます!!
▲ 特に水分をしっかり含んだ泥コンはとても重く、男性の大人の方でも鏝板(こていた)を片手で持つことができません。ましてや鏝(こて)に乗せるのもひと苦労です。できれば欲張らずに板に乗せる量を少なめにして、板の上で練りながら鏝(こて)に乗せると良いらしいのですが・・・流石に難しいですね。
▲ 土自体はしっかり寝かしてありますが、藁すさはそこまで腐敗していません。これも地域よって違いがあり、志摩では施工前に投入し、多少練り込む程度だけとのこと。土壁の独特の匂いはそこまでキツくはありませんでした。
▲ ちょうどこの時期、フランスから知人の方とそのお孫さんが日本に遊びに来ていたため、せっかくのチャンスということで志摩まで脚を伸ばして土壁塗りのお手伝いをしました。
▲ 前日残してあった竹小舞編みの部分も同時進行で行います。柱と柱の間は約90cm。縦横の竹を編込むのにおよそ30分程度。コツさえ掴めばどなたでもできます!!小舞はあまり密に編みすぎると塗った時に土が噛まない(=反対側に出てこない)ので、ある程度粗めに組んでいきます。本来は「藁縄」を使うところですが、それ自体が高価なものですので、今回は「しゅろ縄」を使いました。(しゅろ=ヤシ科の植物)
▲ このプロジェクトは、ご縁あって「伊勢志摩経済新聞社」の方に帯同していただいており、こういったワークショップやポイントとなる工事行程を記録写真として撮影していただいています。
▲ また当日のワークショップとの日程が合わず、でも「土壁など、このプロジェクトに興味があって機会あれば是非体験してみたい!」という方が、後日お休みを利用して、わざわざ愛知県からご家族でお越しになられました。そこまで興味を持っていただける方がいること自体珍しく、設計者とては大変嬉しかったです。僅か半日程度の作業でしたが、親子共に泥だらけになりながらも、土壁塗りの作業ができたことにとても満足されていました。