志摩の小庭 いかだ丸太の家「よいとまけ」ワークショップ開催

2019.03

「よいとまけ」って何んですか!?

「よいとまけ」とはコンクリート基礎が無かった昔々の基礎工事のことですよ。この案件はサステナブル建築物等先導事業の気候風土適応型に申請する予定なので、玉石基礎(石場立て構法)はもちろんのこと、できるだけ昔ながらの建築手法をたくさん取り組む予定です!もちろん”土壁塗り”や”たたき土間”とかも、皆さんでやりたいですね。・・というお話しもさせていただき、工事の準備を進めていきました。

 

正確に言うと、家づくりの最初に行う地固めの「どうづき地業」の一つです。今では「ワークショップ」という名の下で、たくさんの方が集まって作業しますが、昔は家1棟建てるのにも集落の方が集まって、その家をみんなで建てるという共同作業が一般的でした。現代版ワークショップと言ったところでしょうか。

 

ちなみに参加者は全員お施主さまのご友人の方です!地域性とは言え、コミュニティの大切さを改めて実感しました。

▲ 「よいとまけ」ワークショップの前に地鎮祭を行いましたので、祢宜さんにも写真に入っていただき記念撮影。20代から70代まで幅広い方に参加していただき、楽しく作業を行いました。ちなみに20代というのは今回の棟梁。先代、先々代の意思を受け継ぎこの志摩の地で大工をしています。技能五輪の全国大会にも出場している若き才能溢れる新人棟梁です!!(前列左から2番目)

▲ お天気も非常に良くワークショップ日和になりました。3方から参加者全員で心棒(中央のおもり)のついた紐を引きます。しかし、簡単に息を合わせることは難しいため「どうづき唄」という歌に合わせて紐を引きます。

▲ もののはじめを壱という、ヨイショー!ヨイショー!ヨイショー!」この「どうづき唄」はいわゆる「数え歌」です。引手の息を合わせ、また1から10までを数えて締め固めた回数をもカウントできるので一石二鳥。どうやらこの歌詞は志摩特有のもののようで、地方によっては全く違う唄となっています。また最近は見なくなりましたが「木遣り(木遣歌)」という上棟などで棟梁が歌う唄もあり、大工さんは確かな腕前も必要ですが、声量や歌声も重要なのです!!

▲ ご年配の方々は「昔やっていたのは知っているけど自分自身やったことが無い。だから楽しみだった。」若い祢宜さんは「そんな方法で家が建つんですか!?面白そうだから一緒にやっても良いですか?」と急遽袴姿で参加することになり、一緒に「ヨイショー!ヨイショー!ヨイショー!」と声を掛け合い、紐を引きます。各々の取りかかりの起点は違いますが、この「よいとまけ」に対する想いが1つになる瞬間でした。

▲ 3月という季節柄、花粉症なのでマスク付けて設計担当の六浦も参加。ただ腰が入っておらず、へっぴり腰ぎみ。腕だけで引っ張ってしまっています。案の定、翌日は背中と腕が筋肉痛となりました。

▲ 「いかだ丸太の家」の建坪は大きくないので、締め固める場所も多くはありません。大工さんの歌声のおかげもあり、テンポ良く午前中には無事終了。お天気良く暖かい日差しの中、体をしっかり動かした後のお昼ご飯は格別でした!